コラム / 転職・キャリア / 2026.08.23

コンサル転職で年収はいくら上がる?戦略・Big4・未経験の相場と交渉方法

コンサル転職で年収はいくら上がる?戦略・Big4・未経験の相場と交渉方法

コンサルへ転職すると、年収はいくら上がるのか。

公開されている転職事例を横断すると、異業種からコンサルへ移る場合は、まず「現年収+100万円前後」を基準線に置くのが現実的です。戦略コンサルへの転職支援事例37件では中央値が+123万円、Big4・アクセンチュアを中心とする体験談40件では平均+155万円という集計もあります。

ただし、この3つの数字は同じ条件で集められたものではありません。対象ファーム、応募者の職歴、入社時の職位、収集方法が違います。「戦略なら必ず123万円上がる」「Big4なら155万円上がる」という意味ではなく、ファーム間の優劣比較にも使えません。

先に、今回確認した公開データを整理します。

  • 異業種からコンサル:平均665万円→772万円(平均+106万円)。中央値600万円→700万円(中央値+100万円)。OpenMoney投稿データ
  • 戦略コンサル転職支援事例37件:中央値+123万円、平均+128万円。KOTORA掲載事例を編集部で再計算
  • Big4・アクセンチュア中心の体験談40件:平均+155万円、平均+27%。Career Nexus収集の体験談
  • コンサルからコンサル:平均920万円→1,061万円(平均+141万円)。OpenMoney投稿データ

OpenMoneyの2026年レポートは、5,000件以上の転職データを分析しています。このうち異業種からコンサルへ移った人は、前職平均665万円から入社時平均772万円へ上昇し、平均の上げ幅は106万円でした。中央値も600万円から700万円へ、ちょうど100万円上がっています。

したがって、コンサル未経験者が希望条件を考える出発点には「現年収+100万円」を置けます。これを下回れば失敗という意味ではありません。複数の公開データを混ぜず、最初の希望額を決めるための基準です。

「現年収+100万円」を置くと、希望額はいくらになるか

OpenMoneyの異業種転職データにある中央値+100万円を、現在の年収へ機械的に足すと次の金額になります。これは年収帯別の実測相場ではなく、希望年収を決めるための最初の計算です。

  • 現年収500万円:500万円+100万円=600万円
  • 現年収600万円:600万円+100万円=700万円
  • 現年収800万円:800万円+100万円=900万円
  • 現年収1,000万円:1,000万円+100万円=1,100万円

この計算は各ファームの給与テーブルではなく、年収500万円層や1,000万円層ごとの実績でもありません。異業種からコンサルへ移った人全体の中央値を、便宜上そのまま足しただけです。選考評価、入社職位、専門性、現年収によって結果は変わります。

年収500万円の人なら、まず600万円を仮置きします。そのうえで、製造業で担当した原価改善を入社後も同じ業界の案件で使えるなど、募集ポジションとの対応が明確なら、600万円より上を希望する根拠として示します。いくら上へ動くかは今回のデータからは決められません。

年収600万円なら700万円を仮置きします。SIerのプロジェクトリーダーがIT・DX部門へ移る場合のように、要件定義、ベンダー管理、部門間調整をそのまま使えるなら、700万円を超える希望を出す材料になります。

年収800万円の人は、体験談40件の平均上昇率27%を機械的に上乗せし、1,016万円を相場だと考えるべきではありません。Career Nexusの集計でも、転職前年収が低いほど上昇率が高い傾向が示されています。900万円を仮置きし、他社の提示額や入社職位が出た段階で修正します。

年収1,000万円では、単純計算の1,100万円より入社職位の確認が先です。現職では管理職でも、コンサル未経験でシニアコンサルタント採用なら横ばいになることがあります。マネージャー採用なら、案件規模、提案経験、チーム人数を示したうえで1,100万円を起点に交渉します。

基準額より上を求めるなら、複数社の実在する提示条件、募集領域で再現できる実績、入社時に失う賞与など、企業が社内決裁に使える材料が必要です。今回確認した公開データだけから、年収帯別の上限額までは出せません。

未経験転職では、出身業界によって上げ幅が違う

OpenMoneyの異業種転職データでは、SIer・ソフトウェア開発出身者は平均641万円から758万円へ移り、平均+117万円。84%が年収アップしています。銀行出身者は688万円から800万円で+111万円、年収アップ率は77%です。

情報通信は670万円から811万円へ+141万円、自動車・自動車部品は622万円から770万円へ+148万円でした。自動車業界出身者の89%が年収アップしています。一方、建設・土木は平均+25万円、生命保険・損害保険は+66万円です。

この差は「どの業界出身なら優秀か」を表すものではありません。前職の給与水準に加え、採用先が求める経験と職歴がどれだけ重なるかが影響していると考えられます。

基幹システム刷新で要件定義、ベンダー管理、部門間調整を経験したSIer出身者は、ITコンサルで任される仕事との接続を説明しやすいでしょう。自動車メーカーで調達改革や原価低減を担当した人も、製造業向け部門では担当領域を想定しやすくなります。

未経験者が交渉材料にするのは勤続年数や社内評価ではなく、採用先で使える業界知識、プロジェクト経験、顧客折衝、チーム管理の実績です。「8年間勤務」ではなく、「国内3工場の調達品目を集約し、年間1.2億円を削減」「12名・18か月の基幹刷新で業務側責任者を担当」のように、対象、人数、期間、成果で示します。

戦略コンサル支援事例37件の中央値は+123万円

KOTORAが公開している転職支援事例のうち、「戦略コンサルタント」として掲載された37件について、転職前後の年収差をSymmetryLab編集部で再計算しました。

37件全体では、増加額の中央値が123万円、増加率の中央値が16.25%。平均では+128万円、+18.4%でした。上げ幅は0円から+400万円まで広がっています。

コンサル経験者7件に限ると中央値は+100万円、+11.0%。それ以外の30件は中央値+130万円、+18.5%でした。

これはKOTORAが支援した事例で、MBBだけの集計でも、市場全体の無作為抽出でもありません。それでも「戦略へ行けば一律に300万円上がる」といった期待を修正する材料にはなります。37件の中心は+123万円で、0円の例も+400万円の例もある。現年収600万円に中央値の123万円を機械的に足せば723万円ですが、600万円層だけの実測値ではありません。希望額の根拠には、全体中央値だけでなく、自分の入社職位と他社の提示条件も必要です。

Big4・アクセンチュア中心の40件では平均+155万円

Career Nexusが1年間に集めた転職体験談40件では、転職前からオファー時までの上昇額は平均155万円、平均上昇率は27%でした。年収が下がった人は5%です。

入社職位別のオファー平均は、アナリスト680万円、コンサルタント740万円、シニアコンサルタント1,005万円、マネージャー1,100万円とされています。ただし、同記事自身がシニアコンサルタントの1,005万円について、母数が少なく異常値の可能性が高いと明記しています。

この40件はBig4・アクセンチュアを中心とする自己申告の体験談です。OpenMoneyの投稿者やKOTORAの支援事例とは別の集団で、平均155万円をBig4全体の標準額とは断定できません。使えるのは、同じ職位でも提示額に差があり、前職年収だけでオファーが機械的に決まらないという点までです。

コンサル経験者は平均+141万円。ただし職位が上がるとは限らない

OpenMoneyでは、コンサルから別のコンサルへ転職した人の前職平均年収は920万円、入社時平均は1,061万円でした。平均+141万円で、79.9%が年収アップしています。

転職者の56%は職位を維持し、24%は職位を上げ、20%は職位を下げています。職位を下げた人でも64%は年収が上がっていました。

経験者の交渉では「前職でマネージャーだったから次もマネージャー」だけでは足りません。担当案件の規模、売上責任、提案経験、チーム人数、顧客の役職、評価結果を示し、転職先の職位定義に合わせて説明します。給与水準の高いファームへ移るなら、職位が一つ下がっても年収が上がることがあります。職位名と提示額は分けて判断すべきです。

年収交渉は、オファーが出る前に準備する

交渉の結果は、オファー面談での話術より、選考日程の組み方で変わります。応募先ごとに選考開始が1か月ずれると、最初の会社の承諾期限までに他社の結果が出ません。比較できる条件がなければ、「もう少し上げてほしい」という希望だけの交渉になります。

ムービンが掲載する34歳の転職事例では、3社の最終面接を同時期に進め、最初に内々定を得た会社へ、残り2社から想定される条件を共有したことで、本人の想定を上回るオファーにつながったと紹介されています。一件の支援事例ですが、最終選考を同時期にそろえる意味は具体的です。

応募前:最終面接を同じ1〜2週間に集める

応募先が5社あるなら、選考回数や結果通知の速さを確認し、最終面接が同じ1〜2週間に入るよう逆算します。第一志望だけを1か月先に受けると、比較材料がないまま回答期限を迎える可能性があります。各社の選考速度が違うため、応募日をそろえるのではなく、最終面接の想定週をそろえます。これは上記1件の事例を一般化した結論ではなく、SymmetryLab編集部が交渉可能な状態を作るために勧める進め方です。

最終面接前:4つの数字をエージェントへ渡す

最終面接へ進む前に、次の情報を書面で渡します。

  • 現年収と直近賞与の実績
  • この金額を下回るなら転職しない最低条件
  • 条件が合えば承諾できる希望年収
  • 他社の選考段階と、分かっている提示条件

たとえば「現年収720万円、最低条件780万円、希望850万円。他社Aは最終面接待ち、他社Bは二次面接通過」です。最低条件と希望を分ければ、エージェントは企業へ何を伝えるか判断できます。存在しない内定や提示額を作ってはいけません。確認されたときに説明できず、採用自体を失う可能性があります。

内定後:承諾前に一度だけ交渉する

条件交渉は、内定後から企業が指定した回答期限までに行います。JAC Recruitmentのオファー面談解説も、オファー面談を労働条件の確認や疑問解消、条件交渉の場として説明しています。承諾後は企業側が条件を動かす理由を失うため、交渉は難しくなります。

内定通知を受け取った当日か翌営業日までに、入社意欲を示したうえで、金額が変われば承諾するのかを明確にします。実際に使うなら、次のような依頼文です。

このたびはオファーをいただき、ありがとうございます。業務内容と面接で伺ったチームの方針に魅力を感じており、入社を前向きに考えています。
現在のご提示は年収850万円ですが、現職で担当した基幹システム刷新の経験と、他社選考で提示されている条件を踏まえ、総額900万円まで調整可能であれば承諾したいと考えています。
固定年収の調整が難しい場合は、入社によって受け取れなくなる現職賞与80万円の一部を補うサインオンボーナス、または入社職位について再検討いただくことは可能でしょうか。

「900万円なら承諾する」と伝えた以上、条件が満たされた後に交渉を繰り返すべきではありません。企業側は社内決裁を取り直すため、一度の依頼に論点をまとめます。

固定給が動かない場合は、職位かサインオンを交渉する

ファームの給与テーブル上、固定年収を上げられない場合があります。そのときは同じ要望を繰り返さず、入社職位かサインオンボーナスへ切り替えます。

職位が一段上がれば、入社後の給与レンジと次回昇格までの距離が変わります。ただし、選考評価がその職位の基準に届かなければ変更は困難です。

サインオンは、転職によって失う現職賞与や株式報酬を埋める目的なら説明しやすくなります。RafLogicの公開支援実績では、コンサルタント50万〜100万円、シニアコンサルタント50万〜200万円、マネージャー100万〜300万円以上とされています。同社は、コンサルタント450万円から750万円、シニアコンサルタント750万円から900万円、マネージャー1,200万円から1,500万円へ上がった匿名事例も掲載しています。

これらはRafLogic一社の支援実績で、全ファームの標準額ではありません。失う賞与が80万円なら「サインオン200万円が相場」と言うのではなく、「退職によって受け取れない80万円の全部または一部を補えないか」と根拠を合わせます。

通りやすい交渉と、通りにくい交渉

以下は公開された転職事例ではなく、交渉材料の組み方を示す架空例です。

年収700万円の製造業出身者が、応募先の主要顧客と同じ業界で10年間働き、5人の改善プロジェクトを率いて年間2億円の原価を削減した。別のファームから820万円のオファーがあり、第一志望が780万円を提示している。この場合、「820万円まで調整できれば承諾する」という依頼には、応募先で使える実績、実在する比較条件、入社意思の三つがあります。

現職賞与100万円の支給直前に退職しなければならず、入社時期を企業側から指定されている場合も、サインオンを求める根拠になります。固定給の恒久的な引き上げより、一時金のほうが社内決裁を取りやすい会社もあります。

一方、「生活費が増えた」「転職するから2割上げたい」「ネットで戦略コンサルは1,000万円と見た」では、企業側が条件を変える理由になりません。年収500万円の未経験者が、具体的な実績や他社評価なしに1,000万円を求めても、今回確認した公開事例の中心から大きく外れます。選考が一社だけで、すでに口頭承諾した後の再交渉も通りにくくなります。

交渉の強さは言い回しではなく、応募先で使える実績、最終面接の評価、他社の提示条件、失う賞与など、金額を変更する根拠の数で決まります。

希望年収は、選考開始前に決めておく

異業種からの転職では、現年収+100万円前後が最初の目安です。戦略コンサルの公開支援事例は中央値+123万円、Big4・アクセンチュア中心の40件は平均+155万円ですが、母集団が違うので直接比較できません。コンサル経験者は平均+141万円というデータがある一方、入社職位が下がる転職もあります。

やることは三つです。選考開始前に最低条件と希望額を決める。最終面接を同じ1〜2週間へ寄せる。内定後・承諾前に、実績、他社条件、失う賞与のいずれかを添えて一度だけ交渉する。固定給が動かなければ、職位かサインオンへ切り替えます。

たとえば現年収600万円の未経験者なら、異業種転職の中央値を使って700万円を最初に置きます。そこから上を希望する場合は、戦略コンサル支援事例37件の分布を眺めるだけでなく、自分が持つ業界実績や他社の提示条件を添えます。希望年収を聞かれたときは「公開データの基準額」「自分に固有の加算材料」「その金額なら承諾するか」の三点を答えられる状態にします。

参考資料・画像出典

画像:Contract Paper Beside a Green Potted Plant、作者:Pavel Danilyuk、Pexels License/無料利用可/確認日:2026年8月23日

SymmetryLabの担当者は全員、大手外資コンサル出身です。公開データだけでは決めにくい応募職位や希望年収も、経歴と志望ファームを照らして具体的に整理します。丁寧なケース面接対策と高い内定率を強みに、選考日程の設計からオファー交渉まで支援しています。コンサル転職を検討している方は、SymmetryLabへご相談ください。